
学術論文を書く際、自身のアイデアを裏付けるために情報源(ソース)に頼ることがよくあります。しかし、その情報源に著者が記載されていない場合はどうすればよいでしょうか?これは、ウェブページや報告書、組織の刊行物などでよく起こることです。
著者不明の文献を引用する方法を知ることは、あなたの研究の正確性、信頼性、そして倫理性を保つために非常に重要です。それぞれの引用スタイル(APA、MLA、シカゴ、ハーバード)は、著者が存在しない場合の対処法が若干異なります。このガイドでは、具体的な例と実践的な手順を交えて、分かりやすく解説します。
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なぜ著者なしの引用が重要なのか
時には、情報源に特定の執筆者が特定できない場合があります。例えば:
省庁によって発行された政府報告書
NGOのファクトシート
大企業のウェブページ
署名(記者名)のないニュースの要約
個人の名前がない場合であっても、情報源へのクレジット(帰属表示)は必ず行わなければなりません。そうすることで:
学術的な誠実さを示すことができる
読者が情報源を見つける手助けになる
参考文献リストを整理し、漏れのない状態に保てる
アメリカ心理学会(APA)によると、著者のない情報源を適切に引用することで、コンテンツに責任を持つ組織やタイトルにクレジットが与えられ、研究における透明性が維持されます。
各引用スタイルにおける著者不明時の対応方法

具体的な例に入る前に、すべての引用スタイルで共通している内容のクイックサマリーを以下に示します。
状況 | 対応方法 | 例(一般) |
組織が著者の場合 | その組織を著者として扱う | (World Health Organization, 2023) |
個人・組織ともに不明の場合 | 代わりにタイトルから始める | ("Climate Data Report," 2023) |
タイトルが長い場合 | 本文中では短縮版を使用する | ("Climate Data," 2023) |
日付がない場合 | 日付なしを示す「n.d.」を使用する | ("Climate Change Guide," n.d.) |
ここから、それぞれのスタイルに応じた書式設定を一つずつ見ていきましょう。
APAスタイル(第7版):著者なし引用の扱い方
APAスタイルは、主に心理学、教育学、社会科学などの分野で使用されます。アメリカ心理学会は、著者が利用できない場合は、参考文献リストの著者の位置に著作のタイトルを移動させるべきだとしています。APAスタイルでのウェブ情報源の書式設定についてさらに詳しくは、弊社のAPAスタイル(第7版)でのウェブサイト引用ガイドをご覧ください。
1. 著者が組織である場合
フォーマット:
組織名. (発行年). 著作のタイトル. 情報源またはURL
例:
World Health Organization. (2021). Global health risks. https://www.who.int/globalhealthrisks
本文中(インテキスト)の引用:
(World Health Organization, 2021)
この方法により、個人の著者名が記載されていなくても、読者は責任のある組織を特定することができます。
2. 著者が完全に不明な場合
個人も組織も特定できない場合:
フォーマット:
著作のタイトル. (発行年). 情報源またはURL
例:
Climate change overview. (2019). https://climate.nasa.gov/resources
本文中(インテキスト)の引用:
("Climate change overview," 2019)
タイトルが長い場合は、本文中で使用する際には短縮形にします。
例:
(“Climate overview,” 2019)
<ProTip title="💡 プロのヒント:" description="APAの参考文献リストでは、著者が記載されていない場合、常にタイトルを著者の位置に移動させます。" />
これらのルールは、APAスタイルの公式ガイドラインでも確認できます。
MLAスタイル(第9版):著者なし引用の扱い方
MLAスタイルは、文学や歴史学などの人文科学分野で一般的に使用されます。現代語学文学協会(MLA)は、著者が存在しない場合はタイトルを重視することを推奨しています。
1. 著者が組織である場合
フォーマット:
組織名. 著作のタイトル. 出版社, 発行年, URL.
例:
World Health Organization. Global Health Risks. WHO, 2021, https://www.who.int/globalhealthrisks
本文中(インテキスト)の引用:
(World Health Organization 2021)
2. 著者が不明な場合
フォーマット:
“タイトル.” ウェブサイト名, 発行年, URL.
例:
“Climate Data.” Environment News, 2020, https://environmentnews.org/climatedata
本文中(インテキスト)の引用:
(“Climate Data” 2020)
引用文献リスト(Works Cited)をアルファベット順に並べる際、タイトルが最初の要素になります。記事のタイトルには引用符(“”)を使用し、書籍やウェブサイトの名前は斜体(イタリック)にします。
<ProTip title="💡 備忘録:" description="MLAスタイルでは、記事のタイトルには必ずダブルクォーテーションマークを使用し、書籍やウェブサイトなどの「コンテナ」名は斜体にします。" />
シカゴスタイル(第17版):降注・文献目録方式と著者・発行年方式
シカゴ・マニュアル・オブ・スタイルには2つの方式があります:
降注・文献目録方式(歴史や芸術分野などで使用)
著者・発行年方式(社会科学分野などで使用)
両方の方式について解説します。
1. 降注・文献目録方式
著者が記載されていない場合は、タイトルから始めます。
脚注の例:
“Climate Change Overview,” 2019, https://example.org/climate
